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最高裁判所第二小法廷 昭和35年(オ)32号 判決 1960年5月06日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告理由第一点について。

原判決の引用した第一審判決は、営業時間後にした支払を営業時間内の債務の履行であるとしているのではなく、商法五二〇条にいう取引時間外になされた弁済の提供であつても、債権者が任意に弁済を受領し、それが弁済期日内であれば、債務者は遅滞の責を負うことはないとしているのであり、その判断は正当であるから、論旨は理由がない。

同第二点について。

所論は原審の専権に属する証拠の取捨判断を非難するものにすぎず、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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